2026年5月7日に友人の須田俊孝さんの論文「我が国及びドイツで進む福祉・司法分野での権利擁護改革」『年報 公共政策学第20巻、47−69』(北海道大学公共政策大学院)をHPに掲載しました。
須田俊孝さんは、現在、北海道大学大学院公共政策学連携研究部附属公共政策学研究センター教授でいらっしゃいます。もともとは旧・厚生省に平成3年に入省され、平成14年から17年までの3年間、在ドイツ日本大使館一等書記官として勤務されていた経験をお持ちです。私よりも何代も後の在ドイツ厚生アタッシェとしてのご経験、そして何よりも、平成28年から内閣府成年後見制度利用促進準備室参事官として、さらにこの業務が内閣から厚労省に引き継がれた後は、社会・援護局地域福祉課成年後見制度利用促進室長として、日本における成年後見制度の利用促進行政の推進に尽力されてきました。
昨年に北海道大学大学院教授に赴任されてからは、こうした豊富なご経験と鋭い問題意識を基礎に、国連障害者権利委員会が推進役となって、判断能力が不十分な人たちへの支援のあり方として、従来の代理による支援と保護から本人の自己決定支援へと国際的に求められるパラダイム転換が進む中、2023年から施行されたドイツの世話法改革と日本で今国会に法務省から提出されている「民法等の一部改正案」(成年後見制度の抜本改正案)を詳細に比較分析された、貴重な論文です。
私自身、1995年に厚労省を辞めて山口県立大学に赴任して以降、山口県社会福祉協議会の地域福祉権利擁護事業の契約締結審査会で長くこの問題と向き合ってきて、旧・厚生省障害福祉課長時代から続く、自分のライフワークと位置づけてきました。しかし、最近の動向は詳細に把握できておらず、今回の論文を通じて多くの新たな知見を頂きました。
認知症高齢者、知的障害、精神障害など、判断能力が十分でない多くの人たちが、地域で安心して暮らしていくために必須の社会基盤システムであり、ぜひ、ご一読頂き、この人間の根源に関わる困難と葛藤を抱える仕組みではありますが、ご一緒に考えて頂ければと思い、ご紹介させて頂きます。
