2026年9月12日にPodcast番組「コータローの社会保障塾」の「はじめての社会保障」シリーズ第2回目を配信しました。今回は、前回の全体像の内容を掘り下げ、国民皆保険の基礎となる被保険者の加入のルール、そしてその負担する保険料と加入先の保険者について、具体的に説明しています。
まず、被用者保険を代表する健康保険は、5人以上の従業員を常時雇用するほぼすべての業種の民間の事業所を対象に適用されます。法人の場合には人数にかかわらず1人でも雇用していれば適用されます。次に、これらの適用事業所に雇用される人は、すべて被保険者とされるという、2段階の仕組みになっています。ただし、日々雇用や、1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数がその事業所に雇用される一般の従業員の4分の3未満のパート勤務の人は、原則として被保険者とされません。ただし、この厚生年金と同じ取り扱いは、パート勤務への適用拡大の方向で法律改正が重ねられています。
被用者保険は世帯単位ですので、健康保険の被保険者に扶養されている家族は、人数にかかわらず、保険料を負担せずに医療給付が受けられます。扶養される、つまり被保険者によって主として生計を維持しているかどうかは、年収130万円(60歳以上は180万円、19歳以上23歳未満は150万円)未満が基準とされます。ただ、そのあり方は年収の壁の1つとして議論されています。
健康保険の保険料は、給与に一定の料率、例えば協会けんぽでは全国平均で9.9%を乗じて計算され、これを本人と事業主が折半負担し、協会けんぽでは、事業主から日本年金機構を通じて国に納められ、ここからけんぽ協会に交付されます。
国保は、被用者保険など、既存の制度に加入している人を除くすべての人が、住所地の市町村が運営する国保に個人単位で加入します。被保険者の職業も所得の種類も多種多様であるため、保険料負担のルールは少し複雑で、負担能力に応じる応能割として、所得割(40%)と資産割(10%)、そして医療サービス利用の受益に着目した応益割として、1人当たり定額の均等割(35%)と1世帯当たり定額の平等割(15%)の4つを組み合わせて決められます。所得割と均等割があれば、2種類でも3種類でも市町村が条例で自由に決められます。
各保険グループは、保険料を半分負担してくれる事業主の有無、加入者の所得水準、医療リスクの高い高齢者の加入割合などが大きく異りますが、こうした財政力格差を国庫負担の傾斜配分によりバランスさせて公平な制度を維持してきました。しかし1983年の老人保健法創設を分岐点とし、国庫負担の増加の抑制、患者負担の増加、制度間の財政調整による財源確保という方向に政策が転換され、現在に至っています。
番組中で引用している図表などの参考資料は:< こちらから >
ドイツの被保険者による保険者選択制の資料は:< こちらから >
