私が企画や発表などに関わった日独間を中心とした社会保障国際共同研究の歩みを簡単にまとめてみました。
■日欧社会保障セミナー第1回 （医療・介護に関する日欧共同比較研究シンポジウム）
開催日時：1997年4月8ｰ9日
場所：国立オリンピック記念青少年総合センター国際会議室（in東京）
参加者：Prof.Bernd von Maydell, Prof.Guenter Neubauer, Prof.Winfried Schmaehl, Franz Knieps, Prof.Jef van Langendonck, Dr.Bernd Schulte.
手塚和彰、高田一夫、土田武史、田中耕太郎、府川哲夫、松本勝明、勝又幸子、井口泰、新井誠.
成果物：手塚和彰、ベルント・バロン・フォン・マイデル編（1998）『高齢社会への途ー日欧社会保障共同シンポジウムー』信山社.
■日欧社会保障セミナー 第2回（Deutsch-Japanisches Colloquim “Probleme der Kranken- und Pflegeversicherung”）
開催日時：1998年5月13ｰ16日
場所：Schloss Ringberg (in Muenchen)
参加者：Prof.Bernd von Maydell, Prof.Guenter Neubauer, Franz Knieps, Prof.Ebert Wille, Ute Koetter.
下村健、手塚和明、土田武史、田中耕太郎、阿久澤利明ほか。
成果物：Bernd von Maydell, Takeshi Shimomura und Kazuaki Tezuka (2000): “Entwicklungen der Systeme sozialer Sicherheit in Japan und Europa”, Duncker & Humblot・Berlin.
（注）ケルンでのシンポジウムには一部は参加せず。
■日独社会保障共同研究シンポジウム 第3回「高齢者の医療・介護・年金保険」（Deutsch-Japanisches Symposium on Social Security Systems）
開催日時：1999年10月4ｰ6日
場所：ホテルフランクス（in 千葉）
参加者：Prof.Bernd von Maydell, Dr.Reiner Hess, Prof.Guenter Neubauer, Franz Knieps, Bernd Schulte, Winfried Schmaehl, Wogfgang Mazal.
下村健、手塚和彰、矢崎義雄、西田在賢、府川哲夫、井口泰、広井良典、貝塚啓明、若杉敬明、土田武史、下和田功、田中耕太郎、大田弘子、佐野正人。
成果物：健康保険組合連合会（2002）『日独社会保障共同研究シンポジウム 高齢者の医療・介護・年金保険』
健康保険組合連合会（1999）「基本理念問われる社会保障改革ー日独の専門家が共同研究成果を発表ー」『健康保険』11月号38-49.
■ドイツ診療ネットエルフト（Modellvorhaben PraxisNetz Erft)
1999年改革法で導入されたintegrierte Versorgungの調査で、KBV（Herr Gero Mueller, Referat:Versorgungsformen und Kooperation)の紹介でエルフトを訪問（ケルン郊外）
日時：2000年3月
■健保連：企業疾病金庫の再編統合に関する委託調査
日時：2004年3月
訪問先：
3月29日：BKK-Landesverband Ost (Wald理事長）
：Deutsche Krankenhausgesellschaft (Heyder政治部担当）
3月30日：City BKK (Schulz理事長）
：Bundesministerium fuer Gesundheit und Soziale Sicherung (Knieps局長）
4月1日 ：Ford BKK (Kaizer理事長、Gusinde企業展開部長）
：BKK Bundesverband (Burger医療政策・コミュニケーション部長）
：Bundesversicherungsamt, BVA (Goepffart課長）
4月2日 ：Taunus BKK (Szadzik副理事長）
4月5日 :DaimlerChrysler BKK (Brennenstuhl理事長、Stolle副理事長）
4月6日 ；Kassenaerzliche Bundesvereinigung, KBV (Graf von Stillfried基本問題部長、Golfier業務担当部長（医師）、Berner法律部担当）
参加者：土田武史、田中耕太郎
成果物：健康保険組合連合会（2004）『ドイツにおける企業疾病金庫の統合を進めた背景・要因 統合実態に関する研究』、https://www.kenporen.com/include/outline/pdf/chosa15_01_kaigai.pdf
■日独社会保障共同研究2005
日時：2005年9月5-6日
場所：Fraueninsel (in Muenchen)
参加者：Prof.Ulrich Becker, Prof.Rheinhard Busse, Prof.Gerhard Igl, Prof.Bernd von Maydell, Prof.Heinz Rothgang, Prof.Winfried Schmaehl.
貝塚啓明、駒村康平、田中耕太郎、土田武史、橋本泰子、府川哲夫、松田晋哉.
成果物：日独社会保障共同研究2006を参照。
■日独社会保障共同研究2006
日時：2006年10月2-4日
場所：箱根プリンスホテル（in 神奈川）、海運クラブ（in 東京）
参加者：Prof.Ulrich Becker, Prof.Rheinhard Busse, Prof.Gerhard Igl, Prof.Bernd von Maydell, Prof.Heinz Rothgang, Prof.Winfried Schmaehl.
貝塚啓明、駒村康平、田中耕太郎、土田武史、橋本泰子、府川哲夫、松田晋哉.
成果物：Ulrich Becker, Takeshi Tsuchida, Kotaro Tanaka and Tetsuo Fukawa(2007):German-Japanese Joint Research on Social Security: The Japanese Journal of Social Security Policy, Vol.6,No.1(March 2007). https://www.ipss.go.jp/webj-ad/WebJournal.files/SocialSecurity/2007/Spring/WebSS0703.htm
土田武史、田中耕太郎、府川哲夫編著（2008）『社会保障改革ー日本とドイツの挑戦ー』ミネルヴァ書房MINERVA人文・社会科学叢書129.
■International Seminar on Reforming Health Social Security (池上直樹教授を中心とした世界銀行と慶応大学グローバルセキュリティ研究所共催の医療と介護の改革に関する国際セミナー（5セッション）と公開シンポジウム）
日時：2005年6月27-29日
場所：慶応大学三田キャンパス（in 東京）
参加者：Ikegami,Naoki; Hsiao,William; Huber,Manfred; Campbell,John Creighton; Kwon,Soonman; Maynard,Alan; Reich,Michael R.; Rothgang,Heinz; Takemi,Keizo; Wang,Shajoguang; Tanaka,Kotaro; et al.
成果物：The World Bank(2005):Reforming Health Social Security Proceedings of an International Seminar, Working Paper Series No.2005-4.
■日独社会保障共同研究2009
日時：2009年11月12－13日（ワークショップ）、16日（シンポジウム）
場所：ホテルニューオータニ（in 東京）、国際研究交流会館（in 東京）
参加者：Dr.Werner Tegtmeier, Prof.Bernd von Maydell, Gerhard Schulte, Franz Knieps.
幸田正孝、吉原健二、土田武史、田中耕太郎
成果物：幸田正孝、吉原健二、田中耕太郎、土田武史編著（2011）『日独社会保険政策の回顧と展望ーテクノクラートと語る医療と年金の歩みー』法研.
■■■ 以上が私が関わった10年以上に及ぶ日独の共同研究等の歩みです。
振り返ってみると、ドイツ側では常に（故）Maydell教授がその中心にいて、医療、年金、介護といった主要な社会保障の領域でドイツを代表する法学者、経済学者、行政官、実務家から成る素晴らしいチームを率いて下さいました。
また日本側のメンバーは、その時々の取り扱うテーマや代表者に応じて変化してきていますが、一貫して土田武史教授の参画を頂き、私もご一緒させて頂いてきました。また、こうした比較的規模の大きい国際共同研究を実施するに当たっては、数多くの方々の事務的なご支援を頂くことができましたが、とりわけ、当初の企画段階から（故）下村健氏（当時、健康保険組合連合会副会長）の日独比較研究への強い熱意とご支援を忘れることができません。その力強い後押しなくしては、これだけの規模の長期にわたる国際共同研究を継続することは到底叶いませんでした。
さらにそれぞれのプロジェクトに応じて、健康保険組合連合会、ユニベール財団、医療経済研究機構、Max-Planck研究所など多くの機関・団体と職員の皆さんのロジスティック面での大変な事務負担を担って頂いたほか、旅費、会場費、同時通訳等の財政面でのご支援も頂くことができました。一々お名前を挙げることができませんが、ここに改めてお礼を申し上げます。
個別のプロジェクトの中では、とりわけ日独社会保障共同研究2005・2006では、当時の国立社会保障・人口問題研究所部長の府川哲夫氏に企画段階から研究内容、さらには出版に至るまで、多大のご尽力を頂いたことを記して感謝したいと思います。
また、最後の日独社会保障共同研究2009の構想は、出版物の「あとがき」で土田武史氏が述べて下さっているように、私が1985－88年まで在ドイツ連邦共和国（旧西ドイツ）日本国大使館に厚生アタッシェとして勤務していた時代から、ずっと暖めてきたものです。当時、ドイツ連邦労働社会省の局長、事務次官として在任され、1988年から14年間にわたって、東西ドイツ再統一の激動期や政権交代を経ても、この巨大官庁をリードしてこられたDr.Tegtmeier氏と、同じく日本の厚生省の事務次官として私の尊敬する幸田正孝氏、さらには吉原健二氏との間で、戦後の両国の医療保険と年金政策の展開に焦点を当てて、傑出したテクノクラート同士で思い切り語り合って頂き、それをMaydell教授と土田教授に私もお手伝いをして、両国の共通点と相違点、到達した地平と今後の展開を語って頂こうとしたものです。
そのために、日本側だけでも5回に及ぶ事前の研究会を開催して準備し、ドイツ側との事前の情報交換も重ねてきて実現したものです。出版物には、そのエッセンスが詰まっていますので、関心のある方にはぜひご一読頂ければと願います。入手が難しい場合には、ご連絡頂ければ喜んで郵送で貸出しいたします。
最後に重ねて、この間の共同研究に関わって頂いたすべての方々に、心よりお礼を申し上げます。 ■■■