比較社会保障研究室(コータローの社会保障塾)
Comparative Studies on Social Security Systems (CSonScubed)

2024年6月15日<講義録>に印刷教材のPDF(OCR付き)を新たに掲載しました


<講義録>のボタンから入って頂くと、2016年度から4年間ラジオで行った「社会保険のしくみと改革課題」の15回分の講義の音声データを掲載していましたが、音声だけでは理解しにくい図や表などを分かりやすくお伝えするための印刷教材のPDFも追加掲載しました。

じっくりと読みながら考えて見たい方や、より深く理解したい方は、こちらもご覧下さい。PDFにOCR(光学読み取り)をかけて、各章ごとに目次でジャンプできるようにしてあります。

とりわけ、第7章の年金(1)ー年金の基本的な仕組みーの所では、今では通常の年金制度の説明などでは省かれている、年金とはそもそもどういう仕組みか、保険料負担と年金額との牽連性には基本的にどういう選択肢があるのか、なぜ現在の仕組みはこんなに複雑なのか、なぜ、現在では批判の的となっている第3号被保険者(被用者の被扶養配偶者で独自の保険料負担がなくても基礎年金が受給できる)の仕組みができたのか、本当にこれが不公平なのか、など、長い年月を掛けて、年金制度を時代の就労構造の変化などに合わせて再編成してきた工夫の跡と、それなりの合理性を理解頂けると思います。


併せて、人々の数十年に及ぶ長い人生設計に関わる年金制度の変更は、1億人の人生設計や制度への信頼や期待が急に裏切られないように、あたかも巨大なタンカーの進路変更のように、丁寧に、十分な時間と経過措置を設け、しかも将来への明確な展望をもって行う必要のある大事業だということも理解頂けるのではないか、と自分なりには考えています。

こうした歴史的な経緯やさまざまな人々の生活の重みを大切にしつつ、その上で社会や経済の変化をしっかりと見据えて、丁寧に説明を尽くして人々の合意を得ながら、勇気を持って、改革に取り組んで欲しいと願っています。


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