比較社会保障研究室(コータローの社会保障塾)
Comparative Studies on Social Security Systems (CSonScubed)

2025年3月27日『はじめての社会保障第22版』(有斐閣アルマ)が刊行されました


2025年3月27日に<椋野美智子・田中耕太郎『はじめての社会保障第22版』(有斐閣アルマ)>が無事刊行されました。今回も昨年に引き続き、椋野さんが大分県日田市長として多忙のため、私が全体の改訂作業を行い、大きな改訂カ所について2人で協議して進める形を取りました。今回は大きな制度改正がいくつもあり、また、編集の松井智恵子さんと校正者の方を中心に図表と本文の配置を統一的な方針の下でより読みやすくなるよう全面的に見直して頂いたため、2001年の初版以来の大幅な改訂作業になりました。何とか新学期前に無事刊行にこぎ着けて安堵しています。

今回は、2023年12月に閣議決定された「こども未来戦略」に基づき、子ども・子育て支援法等が改正され、その主要な内容が施行されたため、広い範囲の制度改正を反映させることになりました。具体的には、児童手当の所得制限が撤廃され、内容も大幅に拡充されたほか、こども誰でも通園制度の創設、共働き・共同の子育ての支援に向けた雇用保険法の育児休業給付等の改正も行われました。このため、こども未来戦略に関するコラムを新設してその全体像を示した上で、関連する各制度の該当箇所の大幅な加筆を行いました。

また、近年の働き方の多様化に対応して、働く人の保護を拡充するため、昨年11月には「フリーランス法」が施行されたため、その紹介コラムを新設したほか、これに対応した労災保険法の特別加入の制度改正について加筆しました。

さらに、個人番号カードの保険証利用(いわゆるマイナ保険証)の導入に関連して、昨年12月2日から紙の被保険者証が廃止されたことに伴い、新しい取扱いについて記述したほか、第1章医療保険の章扉の写真としてこれまでずっと使用してきた被保険証の写真を廃止し、代わって、貴重な1ページを使って在宅医療関連の著書の写真紹介を行い、若い人たちに在宅医療について関心を持ってもらえるように企画してみました。

加えて、児童手当の財源に関する図表と基礎年金の保険料免除の内容とそれに応じた年金額の減額のルールに関する図表について、図を加えることにより直観的な理解を助ける工夫もしてみました。

その他、例年の改訂と同様に、最終校正日までに入手できたすべての統計データを更新したほか、記述内容全般についてチェックし、経済社会状況の変化に応じて必要な見直しを行いました。また、著者紹介の最後に私のHPのURLも記載しておきましたので、あるいは社会保障を勉強している学生や社会人の方などで、質問や意見などがある人たちとの意見交換も生まれることも楽しみにしています。機会があればご一読下さい。


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